障害等級って何?
花恵「なるほどねぇ・・・圭太さんは障害認定日に障害等級に該当していから、さかのぼって支給されたのね。ところで、その障害等級2級や3級ってどんな状態の人なの?」
1、2、3級の障害状態の程度は、「施行令」や「障害認定基準」で示されていますが、実際に一人ひとりの障害の状態に当てはめて、バシッと等級が決められるわけではありません。
障害の程度について「あいまい」な表現もたくさんあります。
まず、障害等級についてですが、その障害が重い順番に従って「1級、2級、3級」の3つのグレードがあります。国民年金の場合は、1級と2級のみです。国民年金では3級に該当しても受給できません。
次に、障害年金がもらえる「障害の状態」についてですが、身体または精神に一定の障害の状態があり、その状態が長期にわたって存在するものと定められています。
この「障害の状態」ですが、おおまかには「日常生活能力」と「労働能力」で判断されます。
「日常生活能力」は、社会人として、日常の生活を他人に頼らないで送れる能力であり、一人暮らしを想定しています。「労働能力」は個々人の仕事における労働能力ではなく、一般的な仕事の労働能力を指します。
―――法律用語は抽象的でよくわかりませんね。
どんな病気やケガにも基本的に適用できる目安を、私なりに解釈しますと、こんな感じです。
1級は、寝たきりの状態です。
2級は、日常生活も大変で、働くことができません。
3級は、働くことができても、普通の人のようには無理です。
実際の障害の状態については、施行令のほかに、解説書として「障害認定基準」という通知があります。実際の障害年金の等級は、この医学的な解説書によって判断されます。
しかし、この解説書に示された基準によって、すべての病気やケガの障害等級が簡単に判断できるというわけではありません。
マンガの中で圭太さんは、最初に3級に認定されて、次に不服申し立てをして2級に繰り上がりました。しかし、審査された「参考資料」は、最初に提出した診断書や申立書だけです。こんなことになる理由は、施行令や障害認定基準で示されている等級ごとの「障害の状態」にも「あいまい」な表現があるということです。
その「あいまい」な認定基準を見極めて、医師が作成する診断書に、あなたの現実の障害状態をキチンと反映してもらうためには、専門家である社労士の力を借りることも一考です。