肢体の障害

※ 障害認定基準を省略し、解釈を加えています

●複合的な障害は日常生活動作を重視

くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の離断または切断障害、重症筋無力症、脳軟化症、関節リウマチ、変形性股関節症、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン症候群なども肢体の障害の対象です。
肢体の障害の原因となる傷病はきわめて多く、またその障害も単に上肢、下肢、体幹、脊柱の一部に限定されるものではなく、しばしば複合障害となり、関節の自動・他動可動域のみによって障害の程度を評価し得ない場合も多々あります。
脊髄牲の捻挫,挫傷,変性疾患、脊推骨・椎間板やその周辺に起因する傷病では,脊柱自体の運動障害よりもそれに伴う脊髄、根症状が主な障害となることがあります。この場合には、疼痛、しびれ感、脱力感などの苦しみや痛みは一応局所に頑固な神経症状を残すものとして評価はしますが、単に苦しみや痛みの訴えだけでは障害年金の対象にはなりません。
しかし、他覚所見により裏付けられるバレー・リュー症状(後頸部交感神経症候群)を伴う頚椎障害、脊髄症状による麻痺のため、筋力の低下、諸動作の巧緻性、耐久性、速度などが障害とされ、日常生活動作に支障をきたすような場合には、障害年金の対象として評価されます。

●言語障害、高次脳機能障害など併存する障害も対象

脳血管障害による片麻痺は、麻痺の外観、患肢の筋力、関節可動域、日常生活動作などを総合して認定されますが、片麻痺とともに「言語障害」などが併存する場合には、それらの障害も認定の対象となり、併合認定により障害等級が繰り上がる可能性があります。
また、交通事故等による頭部外傷により,四肢の麻療に加えて、「高次脳機能障害」など器質性精神障害が併存する場合は、それらの障害も認定の対象となり、併合認定により障害等級が繰り上がる可能性があります。

肢体の障害による障害の程度は、「上肢の障害」、「下肢の障害」、「体幹・脊柱の機能の障害」及び「肢体の機能の障害」に区分し、次により認定します。

 

上肢の障害

上肢の障害については、次のとおりです。

上肢1

●機能障害

ア 「両上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「両上肢の用を全く廃したもの」とは、両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいいます。
(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ) 関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの
なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

イ 「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」とは、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいいます。
(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ) 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの

ウ 「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、両上肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの)をいう。
なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

エ 「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節)をいいます。

オ 「関節に著しい機能障害を残すもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼)をいいます。
(注) 関節に著しい機能障害がない場合であっても、関節に機能障害を残すもの(「関節の他動可動域が健側の他動可動域の5分の4以下に制限されたもの」又は「これと同程度の障害を残すもの(例えば、固定装具を必要としない程度の動揺関節、習慣性脱臼)」をいう。)に該当する場合は、第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の12号)」にも留意すること。

カ 「上肢の指の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「上肢の指の用を全く廃したもの」とは、指の著しい変形、麻痺による高度の脱力、関節の不良肢位強直、瘢痕による指の埋没又は不良肢位拘縮等により、指があってもそれがないのとほとんど同程度の機能障害があるものをいいます。

キ 「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃したもの」とは、両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害があり、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指の用を全く廃した程度の障害があり、そのため両手とも指間に物をはさむことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことができない程度の障害をいいます。

ク 「指の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
(ア) 指の末節骨の長さの2分の1以上を欠くもの
(イ) 中手指節関節(MP)又は近位指節間関節(PIP)(おや指にあっては、指節間関節(IP))に著しい運動障害(他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの)を残すもの

ケ 「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一上肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの)又は両上肢に機能障害を残すもの(例えば、両上肢の3大関節中それぞれ1関節の筋力が半減しているもの)をいいます。
なお、両上肢に障害がある場合の認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

コ 人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱います。
(ア) 一上肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両上肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定します。
ただし、そう入置換してもなお、一上肢については「一上肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両上肢については「両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定します。
(イ) 障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とします。

サ 「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一上肢に機能障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの)をいいます。

シ 前腕の他動可動域が健側の他動可動域の4分の1以下に制限されたものは、上記サと同程度の障害を残すもの(第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の10号)」)とする。

ス 日常生活における動作は、おおむね次のとおりです。
(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

●欠損障害

ア 「上肢の指を欠くもの」とは、基節骨の基部から欠き、その有効長が0のものをいう。
「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの」とは、必ず両上肢のおや指を基部から欠き、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指を基部から欠くものです。

イ 「指を失ったもの」とは、おや指については指節間関節(IP)、その他の指については近位指節間関節(PIP)以上で欠くものをいう。
なお、いずれも切断又は離断による障害の程度を認定する時期は、原則として、切断又は離断をした日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とします。
ただし、障害手当金を支給すべきときは、創面が治ゆした日とします。

 

●変形障害

ア 「長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。(偽関節は、骨幹部又は骨幹端部に限る。)
(ア) 上腕骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
(イ) 橈骨及び尺骨の両方に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの

なお、いずれも運動機能に著しい障害はないが、上腕骨、橈骨又は尺骨に偽関節を残すもの(「一上肢に偽関節を残すもの」という。)は、障害手当金(第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の8号)」)に相当するものとして認定します。

イ 「長管状骨に著しい転位変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
(ア) 上腕骨に変形を残すもの
(イ) 橈骨又は尺骨に変形を残すも

ただし、変形とは外部から観察できる程度(15度以上わん曲して不正ゆ合したもの)以上のものをいい、長管状骨の骨折部が良方向に短縮なくゆ着している場合は、たとえその部位に肥厚が生じたとしても、長管状骨の変形としては取り扱いません。

●関節可動域の測定方法、関節の運動及び関節可動域等の評価

測定方法については、別紙「肢体の障害関係の測定方法」によります。
ア 関節の運動に関する評価については、各関節の主要な運動を重視し、他の運動については参考とする。
なお、各関節の主要な運動は次のとおりである。

イ 関節可動域の評価は、原則として、健側の関節可動域と比較して患側の障害の程度を評価します。
ただし、両側に障害を有する場合にあっては、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域を参考とします。

ウ 各関節の評価に当たっては、単に関節可動域のみでなく、次の諸点を考慮した上で評価します。

(ア) 筋力  (イ) 巧緻性  (ウ) 速さ  (エ) 耐久性

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、上記諸点を考慮し、日常生活における動作の状態から上肢の障害を総合的に認定します。

 

下肢の障害

下肢の障害については、次のとおりです。


●機能障害

ア 「両下肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「両下肢の用を全く廃したもの」とは、両下肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいいます。
(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ) 関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの

ただし、両下肢それぞれの膝関節のみが100度屈曲位の強直である場合のように、両下肢の3大関節中単にそれぞれ1関節の用を全く廃するにすぎない場合であっても、その両下肢を歩行時に使用することができない場合には、「両下肢の用を全く廃したもの」と認定します。
なお、認定に当たっては、一下肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定する。

イ 「一下肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一下肢の用を全く廃したもの」とは、一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいう。
(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ) 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの

ただし、膝関節のみが100度屈曲位の強直である場合のように単に1関節の用を全く廃するにすぎない場合であっても、その下肢を歩行時に使用することができない場合には、「一下肢の用を全く廃したもの」と認定します。
ウ 「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの)をいいます。
なお、認定に当たっては、一下肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

エ 「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節)をいいます。

オ 「関節に著しい機能障害を残すもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼)をいいます。
(注) 関節に著しい機能障害がない場合であっても、関節に機能障害を残すもの(「関節の他動可動域が健側の他動可動域の5分の4以下に制限されたもの」又は「これと同程度の障害を残すもの(例えば、固定装具を必要としない程度の動揺関節、習慣性脱臼)」をいう)に該当する場合は、第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の12号)」にも留意すること。

カ 「足趾の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
(ア) 第1趾は、末節骨の2分の1以上、その他の4趾は遠位趾節間関節(DIP)以上で欠くもの
(イ) 中足趾節関節(MP)又は近位趾節間関節(PIP)(第1趾にあっては、趾節間関節(IP))に著しい運動障害(他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの)を残すもの

なお、両下肢に障害がある場合の認定に当たっては、一下肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

キ 「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、一下肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの)又は両下肢に機能障害を残すもの(例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の筋力が半減しているもの)をいう。なお、両下肢に障害がある場合の認定に当たっては、一下肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定します。

ク 人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱う。
(ア) 一下肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両下肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定します。
ただし、そう入置換してもなお、一下肢については「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両下肢については「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定します
(イ) 障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る)とします。

ケ 「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一下肢に機能障害を残すもの(例えば、一下肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの)をいいます。
コ 日常生活における動作は、おおむね次のとおりです。
(ア) 片足で立つ
(イ) 歩く(屋内)
(ウ) 歩く(屋外)
(エ) 立ち上がる
(オ) 階段を上る
(カ) 階段を下りる

●欠損障害

ア 「足関節以上で欠くもの」とは、ショパール関節以上で欠くものをいいます。
イ 「趾を欠くもの」とは、中足趾節関節(MP)から欠くものをいいます。

なお、いずれも切断又は離断による障害の程度を認定する時期は、原則として、切断又は離断をした日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とします。

ただし、障害手当金を支給すべきときは、創面が治ゆした日とします。

●変形障害

ア 「長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。(偽関節は、骨幹部又は骨幹端部に限る)

(ア) 大腿骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
(イ) 脛骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの

なお、いずれも運動機能に著しい障害はないが、大腿骨又は脛骨に偽関節を残すもの(「一下肢に偽関節を残すもの」という)は、障害手当金(第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の8号)」)に相当するものとして認定します。

イ 「長管状骨に著しい転位変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。
(ア) 大腿骨に変形を残すもの
(イ) 脛骨に変形を残すもの(腓骨のみに変形を残すものについても、その程度が著しい場合はこれに該当する)

ただし、変形とは外部から観察できる程度(15度以上わん曲して不正ゆ合したもの)以上のものをいい、長管状骨の骨折部が良方向に短縮なくゆ着している場合は、たとえその部位に肥厚が生じたとしても、長管状骨の変形としては取り扱わない。

●短縮障害

下肢長の測定は、上前腸骨棘と脛骨内果尖端を結ぶ直線距離の計測によります。
ア 一下肢が健側の長さの4分の1以上短縮した場合は、「一下肢の用を全く廃したもの」に該当するものとして認定します。
イ 一下肢が健側に比して10センチメートル以上又は健側の長さの10分の1以上短縮した場合は、「一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」に該当するものとして認定します。

●関節可動域の測定方法、関節の運動及び関節可動域等の評価

測定方法については、別紙「肢体の障害関係の測定方法」によります。
ア 関節の運動に関する評価については、各関節の主要な運動を重視し、他の運動については参考とします。
なお、各関節の主要な運動は次のとおりです。

イ 関節可動域の評価は、原則として、健側の関節可動域と比較して患側の障害の程度を評価します。

ただし、両側に障害を有する場合には、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域を参考とします。
ウ 各関節の評価に当たっては、単に関節可動域のみでなく、次の諸点を考慮した上で評価します。

(ア) 筋力  (イ) 巧緻性  (ウ) 速さ  (エ) 耐久性

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、上記諸点を考慮し、日常生活における動作の状態から下肢の障害を総合的に認定します。

 

体幹・脊柱の機能の障害

体幹・脊柱の機能の障害については、次のとおりです。

●体幹の機能の障害

体幹の機能障害は、高度体幹麻痺を後遺した脊髄性小児麻痺、脳性麻痺等によって生じるものです。
ア 「体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの」とは、腰掛、正座、あぐら、横すわりのいずれもができないものをいいます。また、「体幹の機能に立ち上がることができない程度の障害を有するもの」とは、臥位又は坐位から自力のみで立ち上れず、他人、柱、杖、その他の器物の介護又は補助によりはじめて立ち上ることができる程度の障害をいいます。
イ 「体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの」とは、室内においては、杖、松葉杖、その他の補助用具を必要とせず、起立移動が可能であるが、野外ではこれらの補助用具の助けをかりる必要がある程度の障害をいいます。

●脊柱の機能の障害

脊柱の機能障害は、脊柱の脱臼骨折又は強直性脊椎炎等によって生じるもので、荷重機能障害と運動機能障害があります。

ア 荷重機能障害は、脊柱の支持機能の障害で、日常生活及び労働に及ぼす影響が大きいので重視する必要があります。
なお、「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、日常生活における動作が一人でできるが非常に不自由な場合又はこれに近い状態をいいます。

イ 日常生活における動作は、おおむね次のとおりです。
(ア) ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)
(イ) 靴下を履く(どのような姿勢でもよい)
(ウ) 座る(正座、横すわり、あぐら、脚なげ出し)
(エ) 深くおじぎ(最敬礼)をする
(オ) 立ち上がる

ウ 運動機能障害は、基本的には、前屈・後屈運動のみの測定で可としますが、脊柱全体の運動機能をみる必要がある場合は回旋・側屈を測定し認定します。

(ア) 「脊柱の機能に著しい障害を残すもの」とは、脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限されたものをいいます。
(イ) 「脊柱の機能に障害を残すもの」とは、脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の他動可動域が参考可動域の4分の3以下に制限されている程度のものや頭蓋・上位頸椎間の著しい異常可動性が生じたものをいいます。

しかし、傷病の部位がゆ合してその部位のみについてみると運動不能であっても、他の部位が代償して脊柱に運動障害は軽度あるいはほとんど認められない場合が多いので、脊柱全体の運動機能、すなわち、前記イのような日常生活における動作を考慮し認定します。
エ 脊柱可動域の測定方法については、別紙「肢体の障害関係の測定方法」によります。
オ 神経機能障害との関係
認定に当たっては、単に脊柱の運動障害のみでなく、随伴する神経系統の障害を含め、総合的に認定します。

 

肢体の機能の障害

肢体の機能の障害については、次のとおりです。


?(1)肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、本節「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」及び「第3 体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「第4 肢体の機能の障害」として認定します。


(2) 肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。
なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。


(3) 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

(注) 肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定すること。なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。

 

(4) 日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次のとおりです。
ア 手指の機能
(ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ) ひもを結ぶ

イ 上肢の機能

(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

ウ 下肢の機能

(ア) 片足で立つ
(イ) 歩く(屋内)
(ウ) 歩く(屋外)
(エ) 立ち上がる
(オ) 階段を上る
(カ) 階段を下りる

なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱います。

 

(5) 身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりです。
ア 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。
イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

 

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