肝疾患による障害

※ 障害認定基準を省略し、解釈を加えています

肝疾患による障害の程度は、次により認定します。

●認定基準

肝疾患による障害については、次のとおりです。

肝疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定します。

●認定要領

(1) 肝疾患による障害の認定の対象は、慢性かつびまん性の肝疾患の結果生じた肝硬変症及びそれに付随する病態(食道静脈瘤、肝癌を含む)です。肝硬変では、一般に肝は萎縮し肝全体が高度の線維化のため硬化してきます。
肝硬変で最も多いものは、B型肝炎ウイルスあるいはC型肝炎ウイルスによるウイルス性肝硬変であり、その他自己免疫性肝炎による肝硬変、アルコール性肝硬変、胆汁うっ帯性肝硬変、代謝性肝硬変(ウィルソン病、ヘモクロマトーシス)等があります。
(2) 肝疾患の主要症状としては、易疲労感、全身倦怠感、腹部膨満感、発熱、食思不振、嘔気、嘔吐、皮膚そう痒感、出血等の自覚症状、肝萎縮、脾腫大、浮腫、腹水、黄疸、腹壁静脈怒張、食道静脈瘤、意識障害等の他覚所見があります。
(3) 検査成績としては、まず、血液生化学検査が行われるが、さらに、免疫学的検査、超音波検査、CT・MRI検査、腹腔鏡検査、上部消化管内視鏡による食道静脈瘤検査、肝血管造影等が行われます。
(4) 肝疾患での重症度判定の検査項目及び異常値の一部を示すと次のとおりです。

* 治療により軽快するもの
**治療により軽快しないもの
(注) ALP及びCHEの検査成績は、測定方法や単位により異なるので注意すること

 

表1 昏睡度分類

 

(5) 肝疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりです。

(6) 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

なお、障害の程度の判定に当たっては、前記(4)の検査成績によるほか、他覚所見、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定します。
(7) 食道静脈瘤は、胃・食道静脈瘤内視鏡所見記載基準及び治療の頻度、治療効果を参考とし、肝機能障害と併せて、総合的に認定します。
(8) 検査成績は、その性質上変動しやすいので、肝疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとします。
(9) 肝硬変は、その発症原因によって、病状、進行状況を異にするので、各疾患固有の病態に合わせて認定します。
(10) 慢性肝炎は、原則として認定の対象としないが、GOT(AST)、GPT(ALT)が長期間にわたって100以上の値を示し、かつ、軽易な労働以外の労働に支障がある程度のものは、3級とします。

 

血液・造血器疾患による障害

※ 障害認定基準を省略し、解釈を加えています

血液・造血器疾患による障害の程度は、次により認定します。

●認定基準

血液・造血器疾患による障害については、次のとおりです。

血液・造血器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び症状の経過等(薬物療法による症状の消長の他、薬物療法に伴う合併症等)、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定します。

●認定要領

(1) 血液・造血器疾患は、医学研究の進歩によって、診断、治療法が特に著しく変化しつつあります。
したがって、血液・造血器疾患の分類は、研究者の見解によって多少異なる分類法がなされています。
(2) 血液・造血器疾患の主要症状としては、顔面蒼白、易疲労感、動悸、息切れ、頭痛、めまい、知覚異常、出血傾向、骨痛、関節痛等の自覚症状、発熱、黄疸、心雑音、舌の異常、感染、出血斑、リンパ節腫大、血栓等の他覚所見があります。
(3) 検査成績としては、血液一般検査、血液生化学検査、免疫学的検査、鉄代謝検査、骨髄穿刺、血液ガス分析、超音波検査、リンパ節生検、骨髄生検、凝固系検査、染色体分析、遺伝子分析、骨シンチグラム等があります。
(4) 血液一般検査での検査項目及び異常値の一部を示すと次のとおりです。

(5) 個別の各疾患に用いる検査法は、それぞれ異なっており、さらに、前記(4)に示した検査項目の他にも免疫学的検査を中心にした様々な特殊検査があり、診断、治療法は日々進歩しています。
さらに、血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差も大きく現れ、病態も様々です。
したがって、検査成績のみをもって障害の程度を認定することなく、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定します。
(6) 血液・造血器疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりです。

 

(7)「難治性貧血群」「出血傾向群」「造血器腫瘍群」の各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

難治性貧血群(再生不良性貧血、溶血性貧血等)

A表

B表

 

 出血傾向群(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症等)

A表

B表

 

造血器腫瘍群(白血病、悪性リンパ種、多発性骨髄腫等)

A表

B表

(8) 検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、血液・造血器疾患による障害の程度の判定に当たっては、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行います。
(9) 急性転化では、その発症の頻度、寛解に至るまでの経過を参考にして認定します。
(10) 血液・造血器疾患は、一般検査、特殊検査の検査成績等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定します。

 

 

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